巨大なスタンドに囲まれたグラウンドの真ん中に立つと、華奢な少年の姿はなおのこと小さく見えた。背中には「15」の白布が縫い付けられていた。’09年8月22日、帝京の2年生だった山崎康晃は、この日初めて甲子園で投げた。準々決勝の4回裏。県岐阜商業に5点差をつけられていた。